
ヨルダンにある預言者ムハンマドの教友の廟
ヨルダンには、預言者ムハンマド(彼に平安あれ)の教友(サハーバ)の廟の中でも、とくに多くの人が訪れるものがあります。ここに眠る人々の多くは、ムウタの戦いからその後の時代にかけての、この地域の初期イスラーム史にかかわった人物です。現在はモスクの中にある彼らの墓は、世界中のムスリムが祈りをささげ、静かに参詣する場所となっています。
なぜヨルダンに多くの教友が眠るのか
ヨルダン川の東側の土地は、アラビア半島と大シリアを結ぶ道の途中にありました。西暦629年(ヒジュラ暦8年)には現在のカラクの近くでムウタの戦いがあり、その後の数年間、多くの教友がこの地域で暮らし、旅し、生涯を終えました。
西暦639年(ヒジュラ暦18年)には「アムワースの疫病」と呼ばれる流行病がこの地域を襲い、ヨルダン渓谷に廟があるアブー・ウバイダ・イブン・アル・ジャッラーフやムアーズ・イブン・ジャバルを含む何人もの教友が亡くなりました。
アル・マザール・アル・ジャヌービーにあるムウタの廟
カラクの南、アル・マザール・アル・ジャヌービーの町には大きなモスクの複合施設があり、預言者のいとこでジャアファル・アッ・タイヤールとして知られるジャアファル・イブン・アビー・ターリブの廟があります。近くにはザイド・イブン・ハーリサとアブドゥッラー・イブン・ラワーハの廟もあります。3人はムウタでムスリム軍を次々に率い、3人ともそこで命を落としました。
数キロ離れたムウタの町には、伝承によればこの戦いにゆかりがあるとされる場所に記念碑が立っています。

ヨルダン渓谷の廟
肥沃なヨルダン渓谷には、いくつもの廟が点在しています。イスラームの伝承で天国を約束された10人のひとりに数えられ、シリアのムスリム軍を率いたアブー・ウバイダ・アーミル・イブン・アル・ジャッラーフの廟は、デイル・アッラー近くの彼の名を冠した町にあります。
さらに北には、クルアーンとイスラーム法の知識で名高いムアーズ・イブン・ジャバル、シュラフビール・イブン・ハサナ、アーミル・イブン・アビー・ワッカースの廟があります。デイル・アッラーの近くにはディラール・イブン・アル・アズワルの廟もあります。
洞窟の人々(アフル・アル・カフフ)の洞窟
アンマンの南東の外れ、アッ・ラジーブには岩を掘った洞窟があり、ヨルダンではクルアーンの「洞窟章(カフフ章)」で語られる眠れる人々の洞窟とされています。この物語にゆかりがあるとされる場所は世界に複数あります。ヨルダンの洞窟の中にはビザンツ時代の墓があり、上にはモスクが建っていて、一般の人も見学できます。
敬意をもって訪れるために
廟は今も祈りが続けられている場所です。腕と脚を覆う控えめな服装で訪れ、女性はモスク内では髪を覆うよう求められます。礼拝堂に入る前には靴を脱ぎ、声を控えめにし、礼拝に加わるのでなければ金曜正午の礼拝の時間は避けましょう。中庭での撮影はたいてい問題ありませんが、建物の中や祈っている人を撮影するときは事前に許可を求めましょう。
訪れたい廟
ジャアファル・イブン・アビー・ターリブ、ザイド・イブン・ハーリサ、アブドゥッラー・イブン・ラワーハ
ムウタの戦いの3人の指揮官をまつる大きなモスクの複合施設。カラクの南約10kmにあります。
カラク城ムウタの戦いの地
ムウタの町にある記念碑が、伝承によれば西暦629年の戦いにゆかりがあるとされる場所を示しています。
アブー・ウバイダ・アーミル・イブン・アル・ジャッラーフ
最もよく知られた教友のひとりで、シリアのムスリム軍の指揮官。西暦639年のアムワースの疫病で亡くなりました。
ムアーズ・イブン・ジャバル
クルアーンとイスラーム法の知識で知られる教友で、同じくアムワースの疫病で亡くなりました。
シュラフビール・イブン・ハサナとアーミル・イブン・アビー・ワッカース
渓谷北部の村々に廟がある、さらに2人の教友です。
ディラール・イブン・アル・アズワル
初期イスラーム史に勇敢な騎士として名を残す教友です。
よくある質問
ジャアファル・イブン・アビー・ターリブの墓はどこにありますか?
カラクの南、アル・マザール・アル・ジャヌービーにあります。西暦629年に彼が命を落としたムウタの戦いの地の近くです。
アブー・ウバイダ・イブン・アル・ジャッラーフの廟はどこですか?
ヨルダン渓谷の中部、デイル・アッラー近くにある彼の名を冠した町にあり、アンマンから車で約1時間です。
ムアーズ・イブン・ジャバルの廟はどこですか?
ヨルダン渓谷北部、アッ・シューナ・アッ・シャマーリーヤ地区にあります。
ヨルダンの洞窟の人々(アフル・アル・カフフ)の洞窟はどこですか?
アンマンの南東の外れ、アッ・ラジーブにあります。この物語にゆかりがあるとされる、世界にいくつかある場所のひとつです。
ムスリムでなくても廟を訪れられますか?
礼拝の時間以外なら、どの宗教の人もたいてい中庭に入ることができます。控えめな服装で訪れ、礼拝堂に入る前には管理人に確認しましょう。





