砂漠の城
アンマンの東では大地が広大な礫砂漠へと開け、そこにいわゆる「砂漠の城」が点在しています。その多くは7〜8世紀のウマイヤ朝時代のもので、浴場、狩猟館、砦、旅人の宿駅などが含まれます。これらを巡る周遊ルートでは、彩色された壁、謎めいた建物、そして鳥たちでにぎわう砂漠のオアシスに出会えます。
「砂漠の城」とは、性格のまったく異なる建物群に後世つけられた呼び名です。ウマイヤ朝の王族が狩りや入浴を楽しみ、地元の部族と会い、広々とした砂漠を満喫した田園の離宮もあれば、砦や旅人の宿、農園として使われたものもあります。古代の道沿いのローマ時代の基礎の上に建てられたものもいくつかあります。これらは、劇的で何もない風景の中で、初期イスラムの美術と建築を垣間見せてくれる貴重な存在です。
最大の見どころは、8世紀初めに建てられた小さな浴場と広間、クサイル・アムラで、1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。内部の壁と天井は、狩猟の場面、楽師、踊り手、動物、職人、日々の暮らしの一コマを描いた見事なフレスコ画で覆われています。浴場の彩色ドームには星座と黄道十二宮が描かれた夜空が表されており、ドームに描かれた天空図としては現存最古級のものです。

平原にぽつんと立つカスル・ハラナは、要塞のように見えますが、おそらく集会所か休憩所だったと考えられています。中庭を囲むように2階建ての部屋が並び、内部には8世紀初めのものとされる墨書きの銘文があります。さらに北のカスル・アル・ハッラーバートは、ローマ時代の砦として始まり、のちにモザイクやモスクを備えた優美なウマイヤ朝の複合施設へと姿を変えました。近くにはハンマーム・アッ・サラーフの浴場があります。
周遊ルートの東端には、砂漠のオアシス、アズラクがあります。黒い玄武岩で築かれたアズラク城は、現在の姿の大部分が13世紀のものですが、その基礎はローマ時代にまでさかのぼります。近くのアズラク湿地保護区では、渡り鳥を引き寄せる池や沼地が守られており、木道が葦原の中を抜けています。車で南へ少しのシャウマリ野生生物保護区は、アラビアオリックスなどの砂漠の動物を復活させるために設立されました。
見どころ
- 1クサイル・アムラのフレスコ画と黄道十二宮を描いたドーム
- 2カスル・ハラナの堅固で謎めいた壁
- 3カスル・アル・ハッラーバートとハンマーム・アッ・サラーフの浴場
- 4黒い玄武岩のアズラク城
- 5アズラク湿地保護区の木道からのバードウォッチング
- 6シャウマリ野生生物保護区のアラビアオリックス
よくある質問
ヨルダンの砂漠の城とは何ですか?
砂漠の城は、東部砂漠にある建物群で、そのほとんどは7〜8世紀にウマイヤ朝のカリフたちによって建てられました。その名前とは裏腹に、多くは軍事用の城ではなく、宮殿、浴場、狩猟館、隊商の宿駅、農園でした。これらを合わせると、初期イスラムの支配者たちの美術、建築、日々の暮らしがよくわかります。
特に訪れる価値のある砂漠の城はどれですか?
最大の見どころは、ユネスコの世界遺産クサイル・アムラで、狩猟の場面、楽師、夜空を描いた見事な壁画があります。カスル・ハラナは最も要塞らしい姿をしており、保存状態もとても良好です。黒い玄武岩で築かれたアズラク城は、T・E・ロレンスの拠点として使われました。カスル・アル・ハッラーバートとハンマーム・アッ・サラーフの浴場も見ごたえがあります。
アンマンから日帰りで砂漠の城を巡れますか?
はい。人気の周遊ルートは、アンマンから東へ向かってカスル・ハラナとクサイル・アムラを訪れ、アズラクまで進み、ザルカを経由してカスル・アル・ハッラーバートを通って戻るものです。周遊ルート全体はおよそ250キロメートルで、見学を含めると一日の大半がかかります。特に暖かい季節は朝早く出発し、アズラク湿地保護区を加えることも検討してみてください。
車なしで砂漠の城に行くには?
砂漠の城への公共交通機関はごく限られており、各遺跡は互いに遠く離れています。最も簡単なのは、アンマンからタクシーや専属ドライバーを1日貸し切るか、ツアーに参加する方法です。出発前に、ルート、訪れる遺跡、所要時間をはっきりと決めておきましょう。
砂漠の城巡りには何を持っていけばよいですか?
アズラク以外にはルート沿いに店や施設がほとんどないので、たっぷりの水、軽食、帽子、サングラス、日焼け止めを持っていきましょう。自分で運転する場合は、燃料を満タンにして出発しましょう。冬は砂漠が寒く風も強くなることがあるので、暖かい上着を持参しましょう。湿地保護区を訪れる予定なら、双眼鏡が役立ちます。
砂漠の城巡りは子ども連れでも楽しめますか?
はい。ただし長時間のドライブになります。子どもたちは、クサイル・アムラの彩色された壁、カスル・ハラナの塔、アズラク城の玄武岩の門を楽しむことがよくあります。途中でアズラク湿地保護区やシャウマリ野生生物保護区に立ち寄って、鳥や動物を見ながら旅にメリハリをつけましょう。
旅を続ける
01ペトラ
バラ色の断崖に刻まれたナバテア人の都。曲がりくねった細い峡谷を抜けると、宝物殿が姿を現します。
02ワディ・ラム
赤い砂の広大な砂漠、そびえ立つ砂岩の山々、静まり返った谷。満天の星の下でベドウィンのキャンプが灯ります。
03死海
黄金色の山々と柔らかな夕暮れの光に包まれた地上最低地点で、ミネラル豊富な水に楽々と浮かびましょう。
04ジェラシュ
世界でも屈指の保存状態を誇るローマの地方都市。緑の丘の間に列柱通り、壮麗な神殿、劇場が残ります。
05アンマン
丘の上に広がる白い石の街。ローマ遺跡、にぎやかな市場、モダンなカフェが同じ通りに共存しています。
06サルト
はちみつ色の石が連なる丘の町。寛容と温かなおもてなしの長い伝統がユネスコに認められています。
07アカバ
ヨルダン唯一の海辺の町。温かな紅海の水の中、岸からほんの数歩の場所に色鮮やかなサンゴ礁が広がります。
08ワディ・ムジブ
地球上で最も低い自然保護区で、そびえ立つ砂岩の峡谷を歩いて泳ぎ、轟音を立てる滝を目指します。